ウィーン雑記トラブル 盗難

ウィーンでスリに遭いました。
空港からホテルへと向かう途中の路面電車の中でポシェットの中から財布等を抜き取られました。
路面電車に乗る際にコートの下に付けていたポシェットが体の後ろにまわりました。
すぐに体の前に戻せばよかったのでしょうが、電車は混んでいて、トランクが人の迷惑にならないようにと
気を取られてしまいました。
トランクともう一つの鞄を押さえていた自分の右腕のせいで、ポシェットは死角にもなってました。
やけに後ろの女の人がぶつかってくるなと思ったらそれだったよう。
市電が混んでいたのは2駅ほどの短い時間。
コートを着た下にあったポシェットから抜き盗ったってかなりプロなのでしょうか。
私が鈍い、とも言う。。。
盗られた時の図→ 

この件は今後の自分への戒めと、万が一盗難に遭われた方への参考にと書き記してます。


ホテルにチェックインし室内のセーフティボックスに貴重品を預けようとして盗難に気がつきました。
盗まれたのはポシェットに入れていた財布・航空券入れ・使い捨てカメラ(鞄の一番上に入ってた)。

幸いお金は分散してしたので福沢諭吉さん達は全員無事。コインも全部無事。ユーロ札も少し残ってました。
航空券も盗難対策でコピーを取ってました。

盗難を知ってパニックになりながら、まずやらないとと思ったのはクレジットカードを止める事。
財布と航空券入れにそれぞれ入っていたのです。
普段は一緒の場所にカードは持たないのですが、空港からホテルに向かっている最中だったのでたまたま同じ鞄に。

とっさにカード会社の電話番号が分らなかったし、部屋からの外線のかけ方も頭がわたわたしていて理解できない
(後刻落ち着いて使い方を読んだら電話番号の前に1をつけるだけだった)。

残った貴重品をまとめて鞄に入れ、役立ちそうな書類(トラブル対応のコピー)と旅行会話集、ガイドブックを持って
フロントに行きました。

フロントマンに
「あい わず すとーるん クレジットカード、うんと、エアーチケット」
と言いながら困った顔をする。
幸いフロントマンが優秀で理解してくれ警察の電話番号をメモに書いて
渡してくれました。
うん、でも警察に電話してもよくて英語なんだよね。
そして日本大使館もパスポートが無事だから関係ない。
フロントマンが書いてくれた警察の電話番号 →
「133」が日本の「110」に該当する。

焦っていると一瞬「1」が認識できなかったりする(^^;

しかし……駄目元で日本大使館に電話する。
明日は土曜日だし次の日は日曜、絶対やってない。
今だって時間が17時を少し過ぎていて、官庁ならやってない可能性が。

電話は繋がる。
やはりパスポートを盗られてないなら大使館では何も対応できないと言われた。
でもカード会社の電話番号を教えてくれる。

日本の電話番号なので電話代の請求が恐いけどかける。
何処かに控えているが今パニックでカード番号が分らないと言ったら、生年月日やら個人情報の確認をされ、止めてもらえた。
まだ使われてないとの事。ほっ。
盗られてから多分40分以内だし、カードの裏のサインが日本語だったのも幸いしたかもしれない。

フロントマンが地図に最寄りの警察ある場所を印しつけて渡してくれる。
ホテルから近い。裏道っほいけど多分5分圏内。
行くなら完全に暗くなる前に行きたい。警察って何時まで開いているのだろう?
ともかく盗難証明書がないと傷害保険の請求も、航空券の再発行依頼も
できないのだから行かないと。
フロントマンが印してくれた警察の場所 →
丸で囲った道に警察があるよという感じでした(^^;
×マークはホテルの位置 

電話代の請求をされ、一万円を取出し両替を頼む。
両替え手数料がかかるけどいいかと言われる。
レートが悪い事も承知。何にせよ使えるお金必要だから。

部屋にコートを取りに戻る。


警察へ。

地図を頼りに警察へ。
交番って感じの小さい表示。

赤いラインに挟まれて
「 POLIZEI 
と書かれています。

入口を開けるとガラス張りのフロントと横手にドア。
何をしに来たーという感じで聞かれたので、
6ヶ国語対応の本を開いて指差す。
英語でだとこう言うようです。
Please make out a theft report.
(盗難証明書を作ってください)

入りなさいと室内ドアの鍵が開く。
ホテルのセーフティボックスの部屋みたい。
 

事情聴取を受けるわけですが、日本でも受けた事が無いので。
今回こんな事を聞かれたり提示しました。

 1.どうしたのか
   −−−スリに遭った

 2.盗られた場所と時間
   −−−市電(Strassenbahn)Dの中  自然史博物館そばの駅から市庁舎前の間で時間は15:10-30あたり

 3.何を盗られたか
   −−−さいふ、航空券、使い捨てカメラ

 4.盗られたものの具体的な情報
   −−−財布の色・形、お金の書類(円・ユーロそれぞれ幾ら)、
           カード会社の種類(ビザとかマスターとか) 航空券について(コピーを見せた)

 5.自分の身分証明
   −−−パスポート(コピー可)

 6.今の連絡先・何時までウィーンにいるか
   −−−泊っているホテル名と・部屋番号(ホテルの名刺大カードを持っていたので部屋番号を書いて渡しました)
    多分これは犯人が捕まった、又は財布が見つかった時に連絡するための確認でしょう。

と書くと私がきちんと対応できたようだけど、実際はあまりの言葉の通じなさに業を煮やした警官が大使館の電話番号を
調べ電話して、少し通訳に入ってもらったのでした。
私ときたら「茶色」が英語で「ブラウン」ということも思い出せない状態だったので。
大使館の方すみませんでした。
一応警官が大使館の電話番号を調べる前に、保険会社の無料通訳サービス案内の紙を見つけていたけど、
電話をかけさせてほしいと言ったのが通じなかったので、筆談なら通じるかなと盗難状況を紙に書き出している最中でした。

事情聴取が終ると警官がパソコンで書類を作って、印刷したものに
サインをして渡してくれます。

←これが盗難証明書です。
今度こそなくさないよう大事にしまいましょう。

それと共に別の書類に自分の日本の住所とサインを書かせられました。

 ↓左の盗難証明書の表題。当然全てドイツ語で書かれている。
 



私の場合、たまたまホテルで盗難に気が付き、
ホテルマンが警察の場所をすぐに教えて
くれましたが、外で盗難に気が付いた場合。

巡回しているお巡りさんに会うという偶然も
あるかもしれませんけど。

運が良ければ駅の電車の案内図に警察の
場所が載っています。
最寄りに無ければ当然ながら載ってません。

右の写真はリンクの2番路面電車の案内。
中央の赤い矢印が現在地である駅の場所。

地図記号の中に警察のマークがあります。
それの形を頼りにして地図の中から警察の
場所が見つけられます。

**
ウィーン観光情報」の散歩道氏によると、
ウィーンの警察は、電話では24時間対応、
全ての派出所が24時間開いているかどうか
は不明、とのことです。
日本の交番と同じような感じでしょうか。


保険

ホテルの部屋に戻って冊子を頼りに保険会社に電話。
フリーダイアルでかけられる番号が載ってました。

盗難にあったと言うことを話し、クレジットカードは止め、警察で盗難証明をもらってきたと告げました。
財布の中身、現金やカード(再発行手数料)は保険対象外ですが、財布の中に入れてあったお守りは対象扱いとの事。
……犯人日本のお守りを見て何だと思ったか知りたいものです。
カードを止めるために日本にかけた電話代も保険外(落ち着いて調べたらフリーダイアルの番号もあります)。

日本に戻ったら書類を書いて、盗難証明書と一緒に送ってくださいと言われました。

結局私の損害は
現金50ユーロ、日本円7000円、クレジットカード2枚、テレホンカード(200円前後)、航空券(再発行50ユーロ)、
財布本体、お守り、使い捨てカメラ。
日本の銀行カード(再発行手数料カード枚数×1050円)、航空券入れ(JTBで去年もらったもの)
付随して日本のカード会社への電話代26ユーロ。
トータル35000円弱ですが、保険対象となったのは財布本体、お守り、使い捨てカメラ、そして航空券の再発行手数料。

※航空券がらみは保険対象外かと思ってましたが保険契約書を読み返していたら
「乗車券等は合計五万円まで」が支払限度額という項目を発見しました。
もしや航空券の再発行手数料も対象になるのかと問合せをしたら、なるとの事。
追加で保険申請手続きをしました。
別の保険会社には航空券は対象に含まないとあったので、対象外だと思い込んでました。
少し嬉しい。
**当り前すぎる事ですが自分の契約した保険会社の契約内容はよく読みましょう。

保険金申請を結果として2度に渡ってした為、保険金が2回に分けて振り込まれました。
書類を投函したのが19日(金)22日(月)。振り込まれたのが25日(木)26日(金)でした。
追加請求した航空券の再発行手数料は1ユーロ135.2円で計算されてました。
財布・使い捨てカメラ・お守りの個々の評価額は不明です。
合計で一万円強保険をもらえました。


通訳サービス

  ※保険契約やカード会社のサービスにあります。
   事務的な英語だと心もとない、または英語以外の言語の国だったら遠慮せずに頼りましょう。
   私は英語全般的に心もとないですが。

航空券のコピーを持っていたので再発行してもらえると分ってましたが、いつどこで何を言えばいいのかがさっぱり不明。
それに前もって正確な再発行手数料を知る必要がありました(クレジットカードも盗られて使えない為)。

エールフランスの航空券だったので現地(ウィーン)で日本語は通じないと思いました。
手続きの仕方を知りたいと保険会社の人に相談したら、電話での通訳サービスが受けられました。
三人で話が出来る電話サービスで、私、通訳さん、エールフランスの人で会話。
エールフランスのカウンターには通訳さんが電話をかけてくれます。

結果
帰る日にウィーン空港のエールフランスカウンターで手続きする。
再発行手数料はエールフランスは50ユーロ(航空会社により手数料は違うらしい)。
チケットを盗まれたと言って、盗難証明書とパスポートと航空券のコピーをカウンターで提示すればいい。

ついでに当日カウンターで何て言えばいいのと聞いてみる。

I have my ticket stolen.
And I reported to the police.
Here is the police report.
Could you please reissue the ticket.

自信のない単語は綴りを聞きながらメモを取りました。


航空券の再発行

出発前に航空券最終ページ:「Not valid」ページのコピーを取っていれば盗難にあっても再発行してもらえると知りました。
個人手配旅行の旅行だったので万が一を考え成田空港のコンビニでコピーしておきました。
ちなみに盗まれた航空券のデータが全く無い場合は再購入となり、帰国後紛失した航空券の払い戻し請求をします。

空港の航空会社のカウンターでまず見せたものは航空券のコピーと盗難証明書。
発音にまったく自信が無かったので通訳さんに教えてもらった上にも書いた台詞の紙を一緒に提出。

I have my ticket stolen.
And I reported to the police.
Here is the police report.
Could you please reissue the ticket.

端末をたたいたお姉さんからややあってパスポートの提示を求められ、処理が進むと50ユーロの支払い要求。
紙に書いて渡したことで英語力が無いと思われ、簡単な英語をゆっくり話してくれました。
最後に書類に住所の記入とサインを求められ、新しい航空券と領収書が貰えました。
作業時間は約18分。後ろに並んでいた方々、ごめんなさい。
盗難証明書は返してくれます。忘れないように受け取ってください。原紙は保険会社に提出となります。
再発行手数料の領収書は保険会社に申請書類と一緒に送ります。

パリ行きの早い便(7:20発)だったので、朝早い時間に空港へ行ったためすぐに自分の番になったし、空港も空いていたので
手続きもすぐ受けられたようですが、ゆとりを持って空港に行ったほうがいいみたいです。

ちなみに私の前にカウンターに並んでいた外人さんも盗難証明書を持ってました(^^;
彼女は航空券のコピーは持っていないようでしたが、手続きは5分ほどでした。


今回の反省点等 つらつらと。

盗みやすい所に貴重品があったというか、コートの下に付けていた鞄ということで油断していました。
トランクを持っている時はとても狙われやすいそうです。
鞄の中に財布が一番上に来るように入れたことが無くて、今回は使い捨てカメラが財布の上に有ったはず。
早い時点で違和感に気が付いていれば使い捨てカメラを盗られただけで済んだかもしれない……

やはり焦るとろくなことが無いなというのが感想です。
以前に旅行した時、友人が財布を無くすということがあったのですが、二人だったので手分けしてカード会社の電話
番号を調べ、ホテルの部屋から電話をかけてすぐ止められたと記憶してます。
フリーダイヤルの電話番号はあちこちに分かるように書いておくのがいいかと。
焦っているときはここに書いてあるという事がかなり思い出せない、分かっていても見つけられないです。
クレジットカードは停止処理をすれば犯人に使われたとしても請求されないとは知っていましたが、やはり悪用されたら
悔しいからとかなり焦ってカード会社への電話番号を探してました。

保険会社のサービスの一端に
「カード会社への紛失・盗難届の手続に関するアドバイスや、お客様の代理としてカード会社への連絡を行います」
という項目がありました。
これにすぐに気が付けば大使館の手を煩わすことも、カード会社へ連絡した電話代請求も無かったのに。
しかし、普段使ったことが無かったので、とっさに保険の冊子の存在を思い出せなかったのでした。。。

今回暗くなる前に警察に行きたかったので、頭が混乱しているまま行ってしまいましたが、落ち着いてから行った方が
よかったかな、とも思います。
警察の人が英語を話せるとは限らないので(日本の交番で英語堪能なお巡りさんに遭遇するよりは確率高いでしょうが)
話すことを紙に整理してからとか、警察に行く前に保険会社に相談したりしたほうが対応がスムーズにできたのではと。

前にテレビ番組で119番した人が「火事です。場所は××区1−2−3。早く来てください」と。
何回オペレーターさんが「町名」を聞いても焦った声で「区」と「番地」だけ繰り返すシーンを見たことがあります。
慌てると人はそんなものだと思ってますが、現場としては少し混乱している上に言葉の通じない外国人はかーなーり迷惑でしょう。

盗難後困ったこと
お財布が無いので支払いがし辛かった事。
封筒からなけなしのお札を出し入れする形になりました。
小銭入れは無事だったのですけど、完全に財布を取られた場合は不便です。
現地で買っても良いけど、スリに遭った記念の財布ってなんか嬉しくないような。

盗難証明書を書いてくれた警官さんから最後に雑談風に 航空券は幾らぐらいするの?
と聞かれました。
さて。
片道使用した格安航空券を正規に買い直すと……?
 

盗まれた本人はもちろん物理的のみならず気分的にもよくないし、今回はホテルのフロントマン、担当警官、大使館の方、
保険会社の方等にも迷惑をかけた訳で。
向こうの泥棒さんにも日本人はちょろいと思われる一端を担ってしまったと反省することしきり。
幸い同行者が出掛けた後盗難に気がつき、戻って来た頃にはできうる全ての対応が終っていたのでそこだけは良かったかなと。
でもスリにあったと聞いて楽しいわけはないだろうし。

大使館に電話をかけたことで公の記録に残り、今後の情報発信の資料となるはず、と言われました。
 >盗難などの情報は被害者が直接連絡しないと、大使館は何も知らず、何もアクションを起こしません。
 >外務省の海外安全情報は、多くの被害者の通報によっても成り立っているそうです。
ガイドブックの治安状況の頁も私と同じように何かしら被害にあった先輩達の報告なのかと、少し感慨深く読み返してしまいました。

帰国して人に話せば教訓を含んだ笑い話になりまして、他の人の旅行盗難話や日本での盗難についての話へと発展しました。
どんな国でも用心し過ぎるに超した事はないです。気を付けていい旅を!


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